攻撃的で過激なカスタム
思わず足が止まる驚異の完成度
とてつもなく広い泉大津フェニックス。その会場をあらゆるジャンルのカスタム車輌が埋め尽くす。「RED WALL 2024」。スーパーカスタムカーショーと銘打って行われたイベントで、今回が記念すべき第1回目だったにもかかわらず、文字通り、破格でスーパーな期待以上の催しとなった。
エントリー部門は10。軽カー、セダン、ワゴン、コンパクト、SUV、スタンス、インポート、アメ車、スポーツカー、ジェット。実際に数えたわけではないので正確ではないが、感触としてはワゴンやアメ車が多かった印象。そんな中、セダンが「全体総合」で2位と3位を獲得。これは快挙と言っていいだろう。会場に集まった多くのクルマ好きに、セダンの可能性を示すことができた。
その一翼を担ったのが、大阪府の阪中クン(25歳)の18クラウン。強者たちが揃う中、堂々の全体総合3位をもぎ取った。一緒に参加したキレイな彼女と映っている写真はとても優しげな表情だが、胸の内は誰よりも熱い。「イベントでテッペンを獲る」と「雑誌の表紙を飾る」。これが彼の譲れない目標。そのために時間と、そして、25歳としては驚くほどの大金も注ぎ込んだ。
もちろん、謙虚な彼だけあって感謝の気持ちも決して忘れない。「全体総合3位を獲ることができて、とても嬉しく思っています。自分一人の力でここまで来られたわけではなく、色んな方に支えて頂いた結果だと思っています。ですから、感謝でいっぱいです。ありがとうございました」。
さぁ、前置きはこれぐらいにして、ここからは阪中クンの18クラウンをじっくりと見ていくことにしよう。
外装は前から後ろまで、その全てがワンオフ。どの角度から見ても目立つように、かつ、まとまり感も考慮してカスタムしている。
ボンネットとトランクのダクト。よく見ると、共に「三角形」になっている。これは彼が行き着いた独自性を演出するためのモチーフで、内装のリアトレイにも同じように「三角形」のデザインを取り入れている。「全体的に過激なスタイルですが、統一感を出すことで繊細な雰囲気も演出しています」。
フェンダーダクトも在り来たりなカタチでは満足できず、他では見たことのない独自形状。そのフェンダーダクトを受け継ぐように、リアドアにもダクトを投入している。ワンオフのオーバーフェンダーは、こだわりの鉄板製。出幅はフロントが12センチ、リアが16センチを誇る。
「ツライチはアウトリップ。オーバーフェンダーを作る際は、まず最初に20センチ以上切り、その上でイチから鉄板溶接で製作してもらいました」。つまり、オーバーフェンダーの形状や角度は完全なオリジナル。車高をキチッと落とし切れるようにアーチ上げを実施。給油口にかかるほど、かなりアーチを上げている。
今シーズンは以前まで装着していたダックテールを外し、鉄板でウイングをワンオフしたのも大きなトピック。「ダックテールも好きだったんですが、ちょっと個性があり過ぎるように感じたんです。そこで、今回はあえてシンプルに作りました。そのお陰で、トランクに入れた三角形のダクトも主張できるようになって良かったです」。
FRONT
Kブレイクのハイパーゼロカスタムを短縮、及び造形加工して装着。レクサス風ヘッドも、ワンオフグリルも、共にインパクトが抜群。
REAR
リアもベースはKブレイクのハイパーゼロカスタム。マフラーはベンツのフルデュアルをチョイス。個性的なテールはワンオフ流星仕様。
WHEEL
ホイールはワークのマイスターM1をセレクト。F10.5・R11Jで、共に驚異的なマイナスインセット。ツライチはアウトリップでキメた。
OVER FENDER
鉄板でイチから作った自慢のオーバーフェンダー。ドアノブの寸前、かなり高い位置までアーチ上げしている。エアロとの繋がりは極自然。
INTERIOR
派手な外装とは一転、内装は白ベースで高級感がある。シートカバーはエルティード。抜かりなく、ドアなども紅白レザーで張り替え。
攻撃的で過激。VIP系カスタムで最も大切とされる「バランス感覚」も決して忘れていない。素晴らしい一台だ。
この日、阪中クンの一つ上の全体総合準優勝を獲得したのは、トータルカープロデュース ヴォヤージュの代表である河合サンの33シーマ。どうやら二人は知り合いだったようで、閉会式の後、阪中クンが先輩オーナーの河合サンに話し掛け、2つの大きなトロフィーと一緒に記念撮影をしていた。その時、河合サンは阪中クンに向かって笑いながら、「おちおちしてらんないわ」とつぶやく。冗談のような言い方だったが、たぶん、本心。
阪中クンの次の予定は内装。すでにやることはやっているが、ダッシュとドアにアクリルを追加して完成度をさらに高める。まだある。ホイールの変更、ブレーキの導入、そして、オールペン。オールジャンルの大イベント・RED WALL 2024で全体総合3位という実績も加わり、来シーズンの阪中クラウンは凄いことになりそうだ。
TOYOTA 18CROWN
大阪府
阪中 一輝
年齢|25歳
愛車歴|3年目
SPECIFICATION
●エアロ:(F・S・R)Kブレイク ハイパーゼロカスタム短縮造形加工(W)ワンオフ 鉄板スポイラー ●フェンダー:ワンオフ 鉄板オーバーフェンダー(F)12㎝(R)16㎝ ●グリル:ワンオフ ●ヘッドライト:レクサス風ヘッド ●フォグランプ:Kブレイク デイライト ●テールランプ:ワンオフ流星テール ●ボディカラー:オリジナル ソウルレッド改 ●ホイール:ワーク マイスターM1 19inch(F)10.5Jマイナス18(R)11Jマイナス25 ●タイヤ:ハイフライ(F)225/35-19(R)235/35-19 ●足まわり:(サス)ロームエアー(システム)エアレン ●アーム:メーガンレーシング ●マフラー:ベンツ フルデュアルマフラー ●外装その他:ワンオフ フロントフェンダーダクト、ワンオフ ボディダクト、ワンオフ ボンネットダクト、 ワンオフ トランクダクト ●室内:エルティード シートカバー、紅白レザー張り替え、アクリル流星