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なぜ、このセルシオが

C-CUP チャンピオンに輝いたのか。

今年から「ドレコン形式」に戻ったCカップ2024。北海道最大級のイベントの頂点を目指し、強者たちが勢揃い。その中でCカップ チャンピオンを獲得したのが、この30セルシオ。これまで一度も賞を獲ったことのないクルマが、仕様変更の末に理想のスタイルを手に入れてエントリー。彼のクルマに対する思いは想像以上に深い。今回はインタビューした内容をノーカットでお届け。

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無名オーナーが、まさかのチャンピオンに!

編集 Cカップ、行けなくて残念でしたね。

樋口 そうなんですよ(笑)。行きたかったです。

編集 当日はクルマだけ、樋口クンは来られず。代わりにお父さんに参加して貰ったんですよね。樋口クンは何の用があったんですか?

樋口 地元で大きなお祭りがあったんです。自分たちが主催しているお祭りで、どうしてもスタッフとして参加しなくてはならなくて……。

編集 何のお祭りなんですか?

樋口 オホーツク枝幸うまいもん祭りっていうお祭りで。毎年、Cカップと日程が被っちゃうんですよ……。

編集 となると、Cカップにエントリーしたのは今回が初めて?

樋口 いや、一昨年、コロナの時期にお祭りが開催されない時があって、その時に1度だけ、Cカップに参加したことがあります。

編集 なるほど。

樋口 今回は理想のカタチになったので、クルマだけでも出したいなって思って、お父さんにお願いしてCカップにエントリーしました。

編集 で、まさかのCカップ チャンピオンを受賞。

樋口 そうなんです(笑)。ちょうどお祭りが終わって、こっちに向かっていた最中だったんですが、Cカップに参加していた友達がLINEをくれて。お父さんがトロフィーを受け取っているところをLINEのビデオ通話で見せてくれて(笑)。

編集 その時の気持ちは?

樋口 実はその時はあまり実感がなくて(笑)。だけど、こっちでお父さんと合流して、トロフィーを目にして、『うゎ、凄い!』って。Cカップは僕がクルマに興味を持ち始めた時から、Cカップというイベントの存在は知っていて。つまり、誰でも知っている大きなイベントっていうか。そんなイベントでチャンピオンになるなんて、まさかって感じでした。

編集 今回も錚々たるクルマが揃っていましたが、そんな中でチャンピオンになった。

樋口 そうなんです。逆に僕のクルマでいいのかなって、そういう気持ちが凄くあります。でも、本当にありがたくて凄く嬉しいです。

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愛車との運命的な出会い。そこからVIPの道へ

編集 今、お幾つですか?

樋口 24になりました。

編集 このセルシオは一台目?

樋口 そうです。高校を卒業した年、免許を取ってすぐに乗り始めました。なので、愛車歴は今年で6年目になります。元々は親戚が乗っていたクルマで、譲り受けた感じなんですけど。

編集 親戚の方もドレスアップしていたんですか?

樋口 ちょこっとやっていました。ホイールとサスコンと。

編集 そもそも樋口クンがVIPを好きになったきっかけは?

樋口 元々はスポーツカーの方に興味があったんです。高校生の時で、車種でいうとシルビアとか180とか。『頭文字D』が好きだったんで。

編集 そこからVIPに?

樋口 そうなんです。もしかしたら重い話になっちゃうかもしれないですけど、この31セルシオは親戚の形見なんです。葬儀の時に初めて見たんです。目立つ所にボンって置かれている、この31セルシオを。その時の僕はセルシオっていう名前すら曖昧な状態だったんですけど、このクルマ、カッコイイって思って。それで、親戚の方に「そんな風に思ってくれるなら、乗ってくれる?」って。

編集 なるほど。

樋口 そこから、このセルシオに乗り始めて、乗っているうちにVIPにどんどん興味が出てきて。亡くなってしまった親戚もクルマが大好きで、だからこそ、葬儀の時に目立つ所に飾っていたんだと思うんですけど、だから、僕としては大切に乗っていきたいなって思っているんです。

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北海道のワイズカンパニーのエアロを装着!

編集 ここからはクルマの仕様について聞いていきますね。まず、ドレスアップのテーマは?

樋口 一番はキレイと上品です。この2つは似ているものだと思いますが、この2つを大事にしています。

編集 どうして、その2つ?

樋口 セルシオに限らず、全てのクルマに言えることですが、キレイなクルマってカッコ良く見えると思うんです。なので、キレイっていうのは大前提。そして、上品っていうのは、このセルシオは通勤車として普段乗りしているんです。なので、あまり下品にして街を走るのは見映えが良くないですし。街中を走っていても、変に目立たないようにって心掛けています。

編集 24歳っていうと、まだまだ目立ちたい気持ちが強い時期ですよね(笑)。ボディカラーを派手にしたり、オーバーフェンダーをガッツリやったり。

樋口 そうですね(笑)。でも、僕は日常的に乗りたいっていうのがあるので、そっちではなく、毎日を共にできる仕様にしたいと思っています。

編集 今回の仕様で一番気に入っている部分はどこですか?

樋口 エアロです。フロントのワイズカンパニー。

編集 ワイズカンパニーを選んだ理由は?

樋口 地元にワイズカンパニーのエアロを巻いた30セルシオがいたんです。大先輩に当たる方のクルマで、現車では見たことがないんですけど、写真で見たことがあって。その時に「こんなカッコ良いエアロがあるんだ」って思ったんです。それで「いいな~」って話をしていたら、ワイズカンパニーさんと繋がっている僕の地元の知り合いの方が聞いてくれて。「まだ型が残っているから作れるよ」ってワイズカンパニーさんが言ってくれた。それでお願いして、去年の夏に装着しました。実際に装着したら少しだけ丈が短かったので、僕のセルシオの車高に合うように、フォグ上を2センチぐらい、ボリュームアップして装着しています。

編集 北海道を代表するワイズカンパニーが作ったエアロパーツ。どの辺りに惹かれたんですか?

樋口 僕の中で純正から外れたスタイルにしたくないっていうのがあって。このバンパーは純正のフォグを使っている所が凄く気に入りました。フォグ横のフィンが1本伸びているんですけど、純正バンパーは2本。あと、純正バンパーはリップがもっと内巻形状。その他は、純正バンパーのスタイルと一緒。ですから、セルシオに乗っていない方からすると、「純正バンパー?」って感じだと思うんですけど、自分的にはそういう所が好きなんです。

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編集 ワイズカンパニーの、このエアロパーツの存在は、元々知っていたんですか?

樋口 いや、あまり知らなかったです。なので、純粋にデザインに惹かれた感じなんです。カッコイイって。本当に色々な方に協力して頂いて、このエアロを装着することができて嬉しいです。

編集 ちなみに、フロント周りでイジっている部分は?

樋口 ヘッドライトを少しイジっています。中のリフレクターの部分、30セルシオの純正はちょっと緑っぽい色なんですけど、それにメッキをかけて緑っぽさをなくしました。ヘッドライトのグリーンが僕的にちょっとどうなんだろうって思っていて。それプラス、ライトの端っこはステッカーでセルシオのロゴを入れました。ロゴの色はガンメタです。

編集 ガラッと変更するんじゃなくて、ヘッドライトも言われないと分からないぐらい、さり気なく変更しているんですね。

樋口 そうなんです(笑)。気付かない人は気付かない。でも、僕が良ければそれでいいという感じでやっています。

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リアビューにも強いこだわりがある!

編集 その他、愛車で気に入っている部分は?

樋口 リア周りも凄く気に入っています。リアはエイムゲインの純VIPなんですけど、ちょっとだけ、丈を伸ばしています。あと、ベンツのカッターを移植しています。特にベンツのカッターの移植は、セルシオでは見たことがないので気に入っている部分なんです。

編集 ベンツの何用?

樋口 W213用のEクラス用。ちょっと薄めのカッターが欲しくて、レクサスのだと、ちょっと厚すぎるんです。なので、薄いカッターを探していた時に見付けたのが、このカッターなんです。あとは、年式は古いですけど、新しく見せたいという気持ちもあって、最近のクルマはこういったカッターを装着しているので、それもあって、このスタイルにしました。

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編集 純VIPの丈は、どの部分を延長したんですか?

樋口 モールの下です。そこを水平にスパッと切って、2.5センチほどボリュームアップしています。

編集 2.5センチというのは、どうやって弾き出した数値なんですか?

樋口 リアがケツ上がりに見えたので、でも、あまり伸ばしすぎるとボテッとした感じになってしまうので、ケツ上がり感は残しながら、なるべく四角く見えるというか、そんなシルエットを狙いました。

編集 リアバンパーに関しては、その他は加工していないですか?

樋口 マフラー開口部はカッターに合わせて作り直していますけど、それ以外は純VIPのままです。ディフューザーの部分はニッサンのKH2、32GTRとかにあるようなガンメタで塗り分けています。黒だと面白くないので、各部の塗り分けはKH2で統一しています。

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編集 ちなみに、エイムゲイン ジェネレーションのサイドステップは加工してない?

樋口 一応、少しだけしていて、四角いジャッキカバーのデザインが入っていたんですけど、それがいらないなって思って、スムージングしたぐらいです。それに伴って、自然にラインを伸ばしたりもしています。

編集 この仕様が完成したのは?

樋口 去年の夏です。それまではトムスのハーフを着けて、スポーティな仕様で乗っていました。だけど、元々は今のようなVIPっぽくて、ラグジュアリーな仕様が好きで、いつかはそうしたいって思っていたんです。だけど、なかなか自分の理想のエアロを手に入れることができなくて。今回、やっと目処が立って仕様変更して、この姿になりました。

編集 フロントはワイズカンパニー、サイドはエイムゲインのジェネレーション、リアはエイムゲインの純VIP。それは自分で決めたんですか?

樋口 そうです。ネットで写真を見ながら、これなら合うかなとか、想像して。

編集 相当、研究しましたね?

樋口 しました。結構、しました(笑)。色んなエアロを見て、その度にイメージして、その繰り返しでしたね。

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純正フェンダーに、深リムのBBSスーパーRS

編集 フェンダーは?

樋口 社外のウインカーミラーを着けているので、30セルシオは純正でフロントフェンダーにマーカーが付いているんですけど、それだと合わないのでスムージングしました。

編集 オーバーフェンダーはする気はない?

樋口 フェンダーは触らないです。アーチモールも残しています。

編集 ホイールは?

樋口 BBSのスーパーRS。リアはヴォイスエディションで、サイズは20インチ10.5J+30です。フロントは10J+25を合わせました。スーパーRSを履くに当たって、自分のよりも深いサイズがあるっていうのが嫌だったので(笑)、リアは絶対にヴォイスの10.5Jを履きたかったんです。フロントは太さを求めつつも、バランスを重視しました。

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編集 このホイールはいつから?

樋口 今年からです。その前はBBS LMでした。なので、雰囲気は結構変わりました。自分の理想の姿により近付いたと思います。

編集 BBS スーパーRSの色は?

樋口 普通のシルバーです。ここは主張しすぎない、普通の色を選びました。

編集 ブレーキは?

樋口 ミルキーホワイトなんですけど、ロゴをセルシオに変更して、だからといって、さすがに純正には見えないですけど、ちょっと純正ちっくに落ち着いた雰囲気にしています。

編集 色はシルバー?

樋口 そうです。ベルハウジングはゴールドで、BBSのロゴに合わせて。あまり、足下に色んな色を入れたくなかったので、この組み合わせにしています。

編集 足まわりはエアサスですね?

樋口 そうです。ショックがイデアル、システムがエアメクストです。上げ下げも早いです。3年前に純正エアサスのハイスピードをやって、それで乗っていたんですけど、思ったよりも下がり切らなかったのと、ちょっと柔らかかったので、イデアルのショックを入れました。ダウン量も乗り心地も満足いく感じになりました。

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抜かりなく、インテリアにも個性をプラス

編集 室内にも手を加えていますね。

樋口 はい、今年の春に仕上げました。元々はCタイプFパッケージのインテリアセレクションで、ウッドは茶色でした。それを白っぽい木目に変更しています。

編集 なぜ、その色に?

樋口 純正にはない色にしたかったんです。あとは、白木目って他のクルマでも見たことがなかったので、だったらやってみようって。

編集 どんな風に施工したんですか?

樋口 ラッピングみたいな感じです。ちょっと剥げてきている部分もあるんですけど……。元々のウッドに戻す可能性もあるので、ラッピング風の方法でやっています。ここは自作です。

編集 自作なんですね。

樋口 そうなんです。冬の間は乗らないので、パネルを全部外して、コツコツを自分で仕上げました。

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このスタイルこそ、目指してきた僕の理想形

編集 改めて、日本有数のイベント・Cカップでチャンピオンになった今の気持ちは?

樋口 みんなが、このクルマがチャンピオンで納得してくれているのか、正直、そこが不安です(笑)。今まで7~8回ぐらいイベントに行ったことがあるんですけど、そのイベントでは総合に入ったこともなかったですし、部門にすら入ったことがなかったんです。なので、本当にいきなりチャンピオンに選んで貰った感じで、みなさんが納得しているか、そこが心配です。

編集 みんな、納得していると思いますよ。

樋口 自分的には凄くこだわって作ったつもりで、これが僕の理想のスタイルなんです。なので、この仕様を認めて頂けて本当に嬉しいです。

編集 前オーナーの親戚の方も喜んでくれたら嬉しいですね。

樋口 そうですね。たぶん、ビックリしていると思います(笑)。

編集 次のドレスアップの予定は決まっているんですか?

樋口 とりあえず、現時点で完成したと思っているので、特に予定はないんです。今は、もうちょっとキレイにできる部分はキレイにしていきたいなって思っています。

編集 今後の目標は?

樋口 道外のイベントに出てみたい。それこそ東北の方とか、シンプル仕様に対して目の肥えた方たちが、このクルマをどう見てくれるのか。それが凄く気になっています。

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OWNER

北海道

樋口 悠翔(24)

31セルシオ

愛車歴:6年

「父をはじめ、地元のクルマ仲間たちにたくさん協力して貰って製作しました。ありがとうございます」。

SPECIFICATION

●エアロ:(F)ワイズカンパニー(S)エイムゲイン ジェネレーション(R)エイムゲイン 純VIP(W)社外 ●グリル:プリクラッシュ仕様 ●ヘッドライト:インナーメッキ加工、セルシオロゴ入れ ●フォグランプ:白/黄 切替式 ●テールランプ:寒冷地仕様 ●ボディカラー:ホワイトパールクリスタルシャイン ●ホイール:BBS スーパーRS 20inch(F)10J+25(R)10.5J+30 ●タイヤ:ニットー NEOテクGEN(F)235/30-20(R)245/30-20 ●足まわり:エアサス(サス)イデアル(システム)エアメクスト ●アーム:ナギサオート (F)アッパー(R)アッパー、トーコン ●ブレーキ:ミルキーホワイト(F)8pot×380φ(R)6pot×355φ ●マフラー:ヴァルド ●外装その他:シャークフィンアンテナ、社外ウインカーミラー ●室内:ウッド白木目化 ●室内オーディオ:フォーカル、フロント2ウェイ

Vol.09_CONTENTS

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